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物見山西支尾根(小川町下里)・物見山支尾根

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城名:物見山西支尾根(小川町下里)・物見山支尾根
別名:物見山砦?
城主:?
住所:埼玉県比企郡小川町下里
遺構:石塁・段築

4回挑戦しましたが、城郭遺構と判断したのは1か所です(涙)
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比企郡小川町、下里地区から訪問できます。槻川に架かる割谷橋を渡って直進すれば良いのですが、平成19年6月現在、法面崩落の危険があるため車両も歩行者も通行止めとなっていました。
これが稜線で行き止まりになっている「林道割谷線」です。訪問は自己責任でお願いします。
この道を歩きました。くどいようですが自己責任で。
約20分歩きますと、林道の終点です。「←物見山・小倉城跡・嵐山渓谷」の標柱に従い、東方面へ。約100m歩くと2つ目の標柱。「→小倉城跡・嵐山渓谷」と書いてありますが、消えかかった北へ向かう登山道(実際は獣道)に入ると遺構があります。支尾根に入ることになります。
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遺構は、北向きに構えられた7段の段築となっています。7段目(最下段)は絶壁となっていて、落差十数mあります。
5段目が圧巻です。北と東西に最大8段の石積みが確認できます。大きな石を使っているので石垣と思える遺構です。裏込石(石垣の裏に詰める小石)が確認できなかったので、やっぱり石積みかな。石の材質はもちろん緑泥片岩。
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段築の比高は1m程度ですが、東西の比高は3m以上あります。

最上段から最下段までの距離は100m近くに及び、各平場は尾根の幅、約5mに広がり、東西は急斜面となっています。
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ここまで、日本城郭体系第5巻の物見山とソックリですが、異なる点を書いておきます。
ときがわ町五明堂平と記されている住所は、小川町下里でした。
段築は6段と記されていますが、7段でした。
東(小倉城方面)に対して備えられていると記されていますが、明らかに北(下里地区方面)に対して構えられていました。
最下段の先は尾根と記されていますが、崖でした。
砦(遺構)から見て物見山は東方約2000mと記されていますが、東南東方約800mでした。200m、または20mの誤記ではないかと思われます。
極めつけは物見山の標高ですが、281.7mと記されていますが、286mです。何を勘違いしたのでしょう・・・
青山城の砦であろうと判断していることは大いに注目すべき点です。

標高286mの物見山は青山城小倉城の稜線の中間点にあたり、物見はもちろんですが、いざという時の連絡用通路だった可能性が高いと思います。
私が訪問した場所は、日本城郭体系第5巻の遺構とは異なるものですが、物見山周辺には段築遺構が多くあることが確認できます。
小倉城が周囲の山から見下ろせる城のために、物見山全体を詰めの城と考えたのではないでしょうか。そして小倉城の監視、防衛、青山城へ連絡、という目的で使ったのではないでしょうか。しかも安易に寄せ手に奪われない山とするように・・・
地図はこちら

ところで日本城郭体系の遺構はどこにあるのか・・・
その1
林道割谷線の入口から左(南)に向かう登山口があります。
ここを沢伝いに登ることが可能です。約15分、沢から道が分かれ、左に山が見えますので直登できました。木々が多少なりとも伐採されていますので、登ってきた道のマーキングさえ忘れなければ大丈夫です。
決定的遺構はありませんが、ピークから北に向かった尾根に平場が確認できました。段築で、石積みがありましたが・・・遺構なのかどうか難しい判断が必要です。
日本城郭体系の遺構に似ていますが、平場の幅が2~3m、北に構えられていますので違うかもしれません。
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その2
林道小倉線の終点から西に向かって登る方法もあります。田黒交差点から見て大福寺の手前を左(西)に向かいます。
むしろメインは林道途中に小倉城の入口があることです。ここに城の推奨探訪ルートの案内表示が設置されていますので参考にすると良いでしょう。「平場群」や「水の手」という表示も気になります。これは余談。
林道の終点に駐車スペースもありますのでゆっくり探訪できるでしょう。
さて、本題。林道小倉線の終点に3台くらい駐車できます。物見山は西です。特に案内がありませんので必ず方位を確認してから。整備されているので歩きやすいのですが・・・遺構は確認できません(苦笑)
南に向かった尾根に平場が確認できましたが、これは自然の地形と思われます。
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その3
林道割谷線の入口から左(南)に向かう登山口があります。
100mほど歩き、沢から離れ、右(西)に向かいます。やがて道は南向きになります。城への道のような雰囲気が漂っています。
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登山口から約10分で竹林になります。このあたりは段築のような平場遺構があります。崩落で地盤が緩い斜面になった可能性もあります。
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竹林で彷徨すること40分。下山道が発見できず、一時は沢伝いに下山しようと試みました(汗
さらに進むと、物見山山頂の真北の支尾根下付近に出ます。しかし登山道を見失いました。緑泥片岩でない石垣が崩落したような跡がありました。謎です。
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結論ですが日本城郭体系第5巻の遺構は、冒頭で紹介した道の先です。林道割谷線終点から「←物見山・小倉城跡・嵐山渓谷」の標柱に従い、東方面の尾根道に沿って約7分歩けば到着です。
物見山山頂から直線距離300m西側にあるピーク(山頂平場)です。南の尾根筋(尾根道上)に段築が確認できます。小倉城に対しての構えと考えて良いかもしれませんが、青山城側にも段築らしき遺構が確認できますので、独立した砦とも考えられます。

小倉城(小倉峠)から仙元山、物見山を経て青山城に向かって縦走も可能です。
小倉城から物見山山頂までの遺構(物見山東稜)も参考にどうぞ。
by ckk12850 | 2007-06-26 21:09 | 比企郡小川町【城跡】

主に埼玉県【入間郡&比企郡】の城館跡探訪記です♪


by 左馬助