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物見山(嵐山町遠山)・西尾根

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城名:物見山(嵐山町遠山)
別名:物見山遺跡・物見山砦
城主:遠山氏?
住所:埼玉県比企郡嵐山町遠山
遺構:段築平場

小倉城の北には槻川を隔てて遠山の集落があり、小倉城の集落と考えられています。遠山の集落と、小倉城を見下ろす山が今回の物見山です。

小倉城本郭にある案内板によれば、小倉城立地概念図「自然地形の外郭線」として、小倉城の北は遠山地区の物見山、西はときがわ町五明の物見山東の稜線、北東は大平山、南東は正山まで含めています。
また、小倉集落、坂下(下里)集落、遠山集落も中世の集落としています。

実は2回目の紹介となります。
埼玉の遺跡マップでは物見山遺跡と称し、比企郡嵐山町遠山にあり、戦国時代の城館跡とされています。立地は山林であるとも。
特に遺構についての記述はありません。出土物の記述もありません。
前回、遠山地区から直登しました。物見山の麓の遠山地区(遠山211番地)の住職から、寺の裏山を登って尾根に出て、そこから東へ歩けば物見山があるとのことでした。
今回は、詳細な遺構の把握、現代における正規登山道の把握です(苦笑)

小川町下里の北根地区から登れます。
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嵐山町遠山地区から小川町に入り、約450m先を右折。
右折後、民家敷地に入らないように未舗装道を直進。約300mで「→大聖寺」の標柱が見えます。
標柱案内の下里の滝、芭蕉の句碑から来たことになります。
東に標高220m前後の名前不明の山が見えます。この山(左側)と尾根続きの物見山(右側)を目指すことになります。
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東へ進むとY字路があります。車はここまで。右へ向かいます。再びY字路。悩みますが左へ向かいます。
しばらく物見山から派生した沢伝いの道を歩きます。沢には緑泥片岩が!
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左手に見える名前不明の山、右手に沢を見ながら緩やかな坂を登ります。沢が消える頃、正面に見える尾根が物見山です。
急な坂道に変化し、山麓から徒歩15分、突き当りに。名前不明の山と物見山の鞍部(峠)です。標高は200m強。
突き当りを右に。約1分で最高地点が見える分岐、ここも右です。約1分で標高約220mの山頂です。これが物見山遺跡(物見山砦)です。徒歩17分。お疲れ様。
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簡単に説明しますと、この登山道に「下り」はありません。下りが1mでもあったら引き返してください。

山頂部近辺に嵐山町と小川町の境界杭がありました。しかし山頂が不明瞭で、ひとまず所在地は埼玉の遺跡マップどおり嵐山町としました。
山頂から北東の平沢地区、南の小倉地区、小倉城が見えました。

新たに山頂の西側に約10m四方の平場が確認できたことは収穫。
大きな穴が2か所ありましたが、井戸ではないと思います。数分下りれば沢ですから・・・

山頂から約10m南側(遠山の集落側)へ下りた地点に、縦5m以上、横35m以上の巨大な平場が出現。これは前回も確認済み。
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坂土塁の高低差は1m。そして小倉城を睨んでいるのです。城館遺構だとすれば何が目的だったのでしょう。
小倉城は、城を見られることを前提にしている立地ということが改めて理解できます。権威の象徴だったのでしょうか。その権威は誰が誰に対してだったのでしょうか。これが小倉城の魅力なのです。

具体的な遺構については、遠山地区の物見山を参考にされてください。
地図はこちら
by ckk12850 | 2008-06-17 11:30 | 比企郡嵐山町【城跡】

主に埼玉県【入間郡&比企郡】の城館跡探訪記です♪


by 左馬助